映画『28年後…』は面白い?つまらない?正直レビュー|スリルを求めて観たら別の映画だった

映画『28年後…』は面白い?つまらない?正直レビュー|スリルを求めて観たら別の映画だった 映画

🎬 ひとことで言うと

シネくま
シネくま

映画として観ると、正直きつかった。前半は説明だらけ、後半は感情が乗り切らないまま終わる。残ったのは次作への期待だけ。

シネうま
シネうま

28日後が好きな人ほどがっかりすると思う。あれとは別の映画だって割り切れるかどうかで、印象がまるで変わってくる作品だよね。


結論:映画『28年後…』は面白い?つまらない?

正直に言うと、映画として観るといまいちだった。

前半はひたすら世界観の説明が続き、後半はようやく動き始めたと思ったら感情が十分に積み上がらないまま終わっていく。「序章だから」という言い訳は制作側の都合であって、2時間近く向き合う映画体験としては明らかに物足りない。

そもそもこの手のシリーズに求めるのはスリル。感染者の恐怖、極限状態の緊張感、次のシーンから目を離せない引力——そういうものを期待して観ると、本作はほぼ何も返してこない。感動を求めていたわけではなかった。

😐 3 / 10
★★★☆☆☆☆☆☆☆

映画としての構造が成立していないため3点。序章の宿命が単体作品を殺した。

批評家からの評価は高いが、それは「三部作の文脈で見ているから」という前提あってのこと。一本の映画として腰を落ち着けて観た体験で評価すると、満足度は正直低い。

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※本ページはプロモーションを含みます。

基本情報

配信Amazon Prime Video ほか
公開/放送開始2025年6月20日(劇場公開)
ジャンルホラー、アクション、SF

あらすじと作品の特徴(ネタバレなし)

レイジウイルスのパンデミックから28年後のイギリス。感染者が跋扈する本土を避け、生存者たちは干潮のときだけ陸と繋がる孤島・ホリー島で、厳格なルールのもと身を潜めている。ウイルスの恐怖を知らずに育った世代が生まれた、そんな世界の話だ。

主人公は12歳の少年スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)。父ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と病を患う母アイラ(ジョディ・カマー)の三人家族で、母の治療を求めて父子は危険な本土へと渡り、孤立した診療所で研究を続ける医師ケルソン博士(レイフ・ファインズ)を目指す旅に出る。

本土には28年で進化した感染者が存在し、その中には知性を持つ「アルファ」と呼ばれる個体まで現れていた。スパイクは初めて触れる外の世界で、島の中では想像もできなかった現実と向き合っていく。

監督は『28日後…』のダニー・ボイル、脚本も同作のアレックス・ガーランドが復帰。続編映画『28年後… 白骨の神殿』(2026年1月)へと続く三部作の第一章として製作されている。

正直レビュー:ここが良かった・悪かった

良かった点:素材と設定のポテンシャル

  • ジョディ・カマーの演技だけは、この映画で唯一感情が動くポイントだった病を抱えながら旅を続ける母アイラ役で、彼女が画面にいるシーンだけ明らかに空気が変わる。本作で唯一感情移入できたキャラクターで、逆に言えばそれ以外では心がほとんど動かなかった。
  • 「感染後世代」という視点の新しさウイルス後の世界しか知らない少年が主人公というアイデア自体は面白く、外の世界を知らない目線で恐怖を体験するアプローチはシリーズとして正しい進化の方向性といえる。そのポテンシャルが活かしきれていないのが惜しい。
  • 感染者の「進化」という設定28年で知性を持ち始めたアルファの存在は、続編への伏線として機能している。走るだけだった怪物が「考える脅威」へと変わっていく発想は純粋に興味深く、もっと掘り下げてほしかった部分でもある。

気になった点:映画として致命的な問題が複数ある

  • 『28日後…』の緊張感や恐怖を期待すると、かなりの確率で裏切られる走る感染者の恐怖も、極限状態のサバイバルスリラーの引力もない。「28日後が好きだから」という期待値で観ると完全に肩透かしで、シリーズの続編として観る限りこれは避けられない落差だと思う。
  • 前半が重くて長い「28年後のイギリスはこうなっている」という世界観の説明が延々と続き、エンタメとしてのテンポが完全に犠牲になっている。物語が動き出すまでの待ち時間が苦痛で、115分の尺に対して前半の密度が薄すぎる。
  • スリルがない恐怖を期待して観ると、ほぼ何も返ってこない。感染者との対峙シーンはあるが緊張感が続かず、怖くないホラーはホラーとして機能していない。
  • ラストのトーンチェンジが唐突すぎる終盤、それまでのシリアスなトーンとは全く異なる光景が突然現れる。次作への引きとして狙ったものだとわかるが、「え、なんか違う映画になった?」という感覚が先に来てしまう。
  • キリアン・マーフィーは登場しない次作への布石として温存されているのはわかるが、観る者としては正直つらいところ。

向いている人・向いていない人の特徴

向いている人

✅ 向いている人
  • 三部作を通して追うつもりで、予習として観る人
  • 続編『白骨の神殿』(2026年)とセットで観る予定の人
  • 終末世界の人間ドラマが好きで、ホラーをあまり求めない人
  • ダニー・ボイル監督作品のファンで、作家性を楽しめる人

向いていない人

✗ 向いていない人
  • 『28日後…』と同じホラー体験・スリルを求めて観る人(かなりの確率で裏切られる)
  • 一本完結の満足感を求めている人
  • キリアン・マーフィー目当ての人(本作には登場しない)
  • 前半から引き込まれないと途中でやめてしまうタイプの人

シリーズの位置づけ

本作を観る前に知っておきたいのが、シリーズ全体における本作の立ち位置だ。前2作の続編ではあるが、登場人物も描くドラマも完全に別物。同じウイルスが蔓延した同じ世界の話というだけで、前2作と同じ体験を期待すると必ず裏切られる。

PART 01
28日後…
2002年|監督:ダニー・ボイル
主人公:ジム(キリアン・マーフィー)

走る感染者の恐怖を描いたジャンルの革命作。シリーズを観るならまずここから。

PART 02
28週後…
2007年|監督:フレスナディージョ
主人公:新キャスト

感染収束後の再拡大パニック。監督交代。前作の世界観を引き継いだ続編。

★ いまここ
PART 03
28年後…
2025年6月|監督:ダニー・ボイル
主人公:スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)

三部作の序章。前2作とは別物。次作へ続く。

PART 04
白骨の神殿
2026年1月|監督:ニア・ダコスタ
キリアン・マーフィー24年ぶり復帰

本作の直接の続き。三部作第二章。

本作でキリアン・マーフィーが登場しないのは「温存」にほかならない。次作『白骨の神殿』でジム(Jim)と、本作ラストで登場するある人物が対峙する構図が用意されており、本作はその前振りとして設計されている。三部作全体で観れば意味を持つが、それはあくまで一本の映画としての満足度とは切り離して考える話だ。

深掘り考察:スパイクの旅が描いたもの

これはスパイクによる精神的な「自立」の物語だった

本作の核心は、スパイクが「守られる子供」から「誰かを守る存在」へと変化していく過程にある。旅の途中で母アイラの病が助からないことが判明し、アイラは尊厳死を望む。ケルソン博士がその願いを叶え、スパイクは母の死を止めることができない。

スパイクは母の頭蓋骨を朝日の当たる場所に葬り、旅の途中で感染者の女性が産んだ赤ん坊を「アイラ」と名付けて引き取る。喪失と再生を同時に描いたこのラストは構造としては正しい着地点で、「母の庇護下にいたスパイク」が「自分で命の責任を取るスパイク」へと変わる瞬間として、終末世界の成長譚として一応の完結はしている。

ただ問題は、そこまでの道のりで感情が十分に積み上がっていないことで、前半の重さで消耗した状態でこれらのシーンを迎えるため「感動するはずのシーン」が「感動できないシーン」になってしまっている。素材はあった。料理が間に合わなかった。

感染者の赤ん坊——レイジウイルスは遺伝するのか?

感染者の赤ん坊という存在が示したのは、レイジウイルスの「限界」だ。
このウイルスは感染によって拡大するが、遺伝はしない。だからこそ、感染者から普通の子どもが生まれる。

つまり感染者は、完全な怪物ではない。理性は崩壊していても、生物としての機能は残っている。「人間のまま壊れている存在」と言ったほうが正確だろう。

アルファのような個体が現れたことも含めて考えると、感染者は単なる退化ではなく、別の形で変質した人間として描かれている。

この赤ん坊の存在が、シリーズに新しい可能性を持ち込んだのは間違いない。ただしそれが共存に向かうのか、それともさらなる対立に進むのかは、まだ判断できない段階だ。

ジミー・クリスタル卿の登場とラストの問題

映画の最後、感染者に追い詰められたスパイクを救うのが、カルト教団「ジミーズ」のリーダー・ジミー・クリスタル卿(ジャック・オコンネル)だ。映画冒頭でテレタビーズを見ていた少年が28年を経てこの姿になったという設定で、カラフルなジャージ、逆さ十字のネックレス、メタルBGMで感染者をなぎ倒す集団が突然現れる。

次作への引きとして狙ったものだとわかるが、その直前まで続いていた母の死と葬送という静かで重いシーンとのギャップが大きすぎて、感情のリセットが追いつかなかった。観る者によって「強烈な続きへの引き」と受け取るか「空気をぶち壊した」と感じるか、完全に割れるシーンだと思う。

次作でジムとジミーはどう絡むのか

次作『白骨の神殿』ではキリアン・マーフィー演じるジムが24年ぶりに帰還する。カルトリーダー「ジミー(Jimmy)」と「ジム(Jim)」——名前が酷似した二人がスパイクをめぐってどう交わるのかが次作の核心になるはずで、本作はその対決への前振りとして設計された一章といえる。単体映画としての満足度が低いのは、それでも変わらないが。

総評:観るべきか迷っている方へ

「28日後が好きだから」という理由で観ると、ほぼ確実に肩透かしを食らう。スリルも恐怖も緊張感もなく、前半は重く、後半は感情が乗り切らないまま、ラストは唐突なトーンチェンジで終わっていく。

これは映画じゃない。次作の予告編を2時間に引き延ばした作品だ。

三部作として追うかどうかで、この映画の価値は決まる。

STREAMING

本作はAmazon Prime Videoで配信中。
プライム会員は追加料金なしで視聴可能です。

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※配信状況は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。


シネうま
シネうま

三部作として追うかどうかで、この映画の価値は決まる。今の段階では正直、判断保留にしておくしかないね。

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