🎬 ひとことで言うと

導入は良かったのに、どうしてこうなったんだろう。

怖がらせようとしたはずなのに、逆に怖さが遠のいていった。
結論:映画『女』は面白い?つまらない?
本作は、「正体不明の女が、なぜか複数の男たちの人生に関わっている」という導入には引きがある。しかし、その後は登場人物たちの説明台詞を中心に謎を処理していくため、せっかくの設定を映像として活かしきれていない。結果として、ホラーとしてもミステリーとしても物足りなさが残る作品だ。
ミサがモテすぎるのが一番の怪異だった。
※本ページはプロモーションを含みます。
基本情報
| 配信 | Amazon Prime Video ほか |
|---|---|
| 公開/放送開始 | 2025年5月9日(早稲田大学の映画サークル制作) |
| 上映時間 | 60分 |
| ジャンル | ホラー |
あらすじと作品の特徴(ネタバレなし)
結婚を考えている恋人ミサの写真を、悟が旧友たちに見せたことから奇妙な話が始まる。すると旧友たちは、それぞれ別の時期、別の土地で、ミサと同じ名前・同じ顔をした女性と付き合っていたと語り出す。しかも彼らの話を聞くほど、偶然では片づけられない共通点が浮かび上がってくる。目の前にいるミサは一体何者なのか。過去の男たちとの関係をたどるうちに、悟自身もその不可解な存在に巻き込まれていく。

正直レビュー:ここが良かった・悪かった
良かった点:低予算でも導入と小道具で見せようとしている
- 同じ顔の女と複数の男が交際していたという導入 別々の場所・別々の時期の話が少しずつつながり、「この女は何者なのか」と先を見たくなる引きがある
- 逆さ吊りの折り鶴や止まった砂時計といった小道具 不気味さを出すための工夫は多少感じられる
気になった点:ミサの存在も、男たちの恐怖も弱い
- ミサ本人の存在感が弱い 物語の中心人物なのに、男たちがなぜそこまでミサに惹かれるのかが伝わらず、「怖い女」というより「周囲が勝手に騒いでいる女」に見えてしまう
- 男たちの悲劇が怖さにつながらない ミサに関わった男たちの人生に異変が起きていくものの、それぞれの出来事が大きな恐怖として積み上がっていかない
- 謎そのものに引っ張る力が弱い ミサをめぐる不可解な出来事は並ぶものの、「次は何が起こるのか」よりも「また何か説明されるのかな」という感覚が先に立ってしまう
向いている人・向いていない人の特徴
向いている人
- 不思議な女の正体や謎を追う話が好きな人
- 低予算の学生映画でもアイデア重視で楽しめる人
向いていない人
- ゾッとするような怖さをしっかり味わいたい人
- 登場人物の行動や恋愛に納得できる理由を求める人
- 最後には謎の答えがはっきり分かる作品が好きな人
深掘り考察:ミサの正体より気になった「この女、何者なんだ?」
一番目を引くのは「怪異の正体」より、最初の人間関係
この映画で一番目を引くのは、ミサが何者なのかという答えそのものではなく、「自分が結婚しようとしている女が、過去に自分の友人たちとも付き合っていた」という設定だ。
しかも、ただの二股ではない。友人たちはそれぞれ別の時期、別の場所で、同じ名前・同じ顔の女と付き合っていた。悟からすれば、自分の恋人について調べていくほど、身近な人間関係まで妙な形でつながっていく。この時点では、幽霊や呪いを持ち出さなくても十分に不気味だった。
では、ミサは結局何だったのか
ラストまで観ると、ミサは普通の人間ではない存在として受け取るのが自然だ。悟の妻として写っているはずの写真に悟しか写っておらず、鏡にも本来いるはずの姿が映らない。少なくとも、本物の人間として存在しているわけではないことは示唆されている。
ただし、そこで終わってしまう。なぜミサが存在するのか、何を目的に男たちの前に現れるのか、どういうルールで人間と関わっているのか。その肝心な部分は明確にされない。だから「正体が分からないこと」が怖さとして残るというより、設定の答えを最後まで掴みきれない感覚の方が強い。
男たちが狂わされていく過程にも説得力がない
もう一つ気になるのは、ミサに関わった男たちが、なぜそこまで彼女に惹かれていくのかという部分だ。
物語の構造としては、ミサとの関係が男たちの人生を大きく変えていく。しかし、そのきっかけとなる感情や関係性が十分に描かれていないため、「この女にそこまで入れ込む理由」が伝わってこない。
その結果、男たちの悲劇そのものよりも、「なぜこの女、こんなにモテるんだ」という疑問の方が残る。スコアボードに書いた通り、ある意味では「ミサがモテすぎること自体が一番の怪異」に見えてしまった。
怪異にしたことで、かえって印象が薄くなった
本作は最初から怪異を描こうとしている作品なのだと思う。だから、怪異そのものを題材にしたことが問題なのではない。
ただ、冒頭にあった「自分の恋人が、なぜか自分の友人たちとも関係を持っていた」という人間関係の違和感は、それだけでも嫌な余韻を作れるものだった。そこから怪異の正体やルールへ話を広げたことで、かえってその生々しさが薄れてしまった。
結果として、怪異の正体を追った先に残ったのは恐怖よりも、「最初の人間関係の方を掘った方がよかったのでは」という惜しさだった。
総評:観るべきか迷っている方へ
『女』は、発想には引きがあるものの、怖さより説明が前に出てしまった作品。
不気味さを期待すると物足りず、ホラーとしてはおすすめしにくい一本。

渋谷ミサ役誰かに似てるなってそればかり考えてた。プロレスラーの上谷沙弥だと気づいた。
本作はAmazon Prime Videoで配信中。
プライム会員は追加料金なしで視聴可能です。
※配信状況は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。

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