映画『逃走中 THE MOVIE』は面白い?つまらない?正直レビュー|「逃走中」が映画になった結果

映画『逃走中 THE MOVIE』は面白い?つまらない?正直レビュー|「逃走中」が映画になった結果 映画

🎬 ひとことで言うと

シネくま
シネくま

『逃走中』なのに、逃げるより感動させることに必死。

シネうま
シネうま

人は走ってる。でも、映画が走ってない。


結論:映画『逃走中 THE MOVIE』は面白い?つまらない?

逃走中を映画にしたら、逃走中じゃなくなった。皮肉としか言いようがない。

🚫1 / 10
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「逃走中」映画化、逃げ場なし

ハンターから逃げるバラエティ番組の緊張感は序盤で失われ、中盤からは捕まれば消滅するデスゲームに様変わり。かと思えば、命懸けの状況でミサンガを取りに戻るという、緊張感も何もあったものではない友情演出まで挟み込まれる。

逃走劇としても、デスゲームとしても、青春映画としても、どれも中途半端なまま終わる。観終わって残るのは達成感ではなく、「結局これは何の映画だったのか」という空白だけだった。

▶ Prime Videoで視聴する

※本ページはプロモーションを含みます。

基本情報

配信Amazon Prime Video ほか
公開/放送開始2024年7月19日(劇場公開)
上映時間97分
ジャンルサバイバルアクション・青春ドラマ

あらすじと作品の特徴(ネタバレなし)

高校時代、陸上部で切磋琢磨した大和(川西拓実)・瑛次郎(中島颯太)・賢(木全翔也)・陸(瀬口黎弥)・勇吾(金城碧海)・譲司(佐藤大樹)の6人はミサンガで絆を結ぶほどの親友にして好敵手だった。卒業後はそれぞれ別の道へと進んだが、ある日、賞金総額1億円超をうたった人気バラエティ「逃走中」への招待メールが届く。変わり映えのしない日常に飽いていた大和を筆頭に、各々の野望や事情を胸に秘めた6人はゲームへの参加を決意する。

東京タワー周辺を舞台に史上最大規模の「逃走中」が開幕。しかしゲームは予想もしない事態へと発展し、6人は極限状況の中で再び絆を試されることになる。

正直レビュー:ここが良かった・悪かった

良かった点

  • 20周年の集大成として、この作品を世に出した勇気だけはすごい 誰がこの企画にGOを出したのかは分からない。ただ、これを20周年記念作品として映画化する判断が通ってしまったことに、迷走するフジテレビの現在が垣間見えた。

気になった点:逃走中・デスゲーム・友情――全部が中途半端

  • 「逃走中」なのに、逃げる側の駆け引きがない人が走ってハンターに追われるだけで、どこに隠れるか、賞金を取るか、自首するかといった「逃げる側の判断」がほとんど描かれない。走っている映像と、逃走劇として面白いことは別の話だ
  • デスゲームと友情ドラマが噛み合っていない途中から捕まれば消滅する命懸けの展開になるのに、ゲームとしての要素も友情ドラマもそのまま残り続ける。そのため、緊迫した状況のはずなのに登場人物の行動に説得力がなく、ミサンガを取りに戻る場面まで含めて白けてしまう
  • 「泣かせたい」が先に見えてしまう友情を見せたい、ここで泣かせたいという意図が先に透けて見えるため、登場人物の感情よりも脚本の都合が目についてしまう。さらに「1000人規模」という大スケールも、人数を集めただけで画面の迫力につながっているとは感じにくい

向いている人・向いていない人の特徴

向いている人

✅ 向いている人
  • JO1・FANTASTICSの出演を目当てに観たい人
  • 原作の「逃走中」とは別作品として割り切れる人
  • ストーリーよりアクションや大規模ロケを楽しみたい人
  • 細かな設定やゲームシステムより勢いを重視する人

向いていない人

✗ 向いていない人
  • ハンターとの緊張感ある追走劇を期待している人
  • 賞金や自首など、ゲームの駆け引きを楽しみたい人
  • 命懸けのデスゲームとしての完成度を期待する人
  • 6人の友情にしっかり感情移入して泣きたい人

深掘り考察:なぜ『逃走中』は映画になると、こんなにも噛み合わなくなるのか

ハンターを強くするだけでは、緊張感は生まれない

本作はハンターを強化し、ワイルドハンターまで登場させる。敵を強くすれば危険になる。理屈としては分かる。だが重要なのは敵の強さではなく、逃げる側がどんな判断をするかだ。どこに隠れるのか、誰を助けるのか、賞金を取るためにどこまで危険を冒すのか。そうした選択があるからこそ、追われる場面に意味が出る。本作はそこよりも、次の大きな展開を起こすことを優先してしまっている。

賞金と命が、同じ土俵に乗っていない

捕まれば消滅するという設定になったことで、ゲームの意味も変わる。これまでなら「もう少し粘って賞金を増やすか」「ここで自首するか」という迷いが生まれた。しかし捕まれば命を失うとなれば、賞金を増やすために踏みとどまるという駆け引きそのものが成立しにくくなる。賞金を大幅に上げたところで、ゲームとしての面白さが増すわけではない。むしろ、これまで成立していたルールの意味を自分で薄くしてしまっている。

「泣ける」を強要してくる割に、素材が笑えてしまう

本作には、シリアスに描きたい場面と、友情を感動的に見せたい場面がかなり詰め込まれている。その象徴が、命がかかっている状況でミサンガを取りにハンターへ向かい、消滅してしまう場面だ。友情の証を守るための行動として描いているのだろうが、状況と行動があまりにも噛み合っていない。本来なら胸を打つ場面のはずが、観ている側には「いや、そこでミサンガ」という反応しか出てこない。泣かせるための演出が、逆に笑いを誘ってしまう。かなり致命的だと思う。

6人の友情も、描く順番が逆になっている

6人が昔から特別な関係だったことは分かる。でも、その友情を実感するには、現在の6人をもっと丁寧に描く必要がある。ところが本作は、感動してほしい場面が先にやってくる。「この6人には深い絆がある」と説明され、その絆を証明する行動が続く。しかし、そこまでの関係性が十分に描かれていないため、終盤でどれだけ友情を強調されても、「泣ける」より「そこまでの関係だったっけ」という疑問が残ってしまう。

都合のいいリセット、都合のいい続編フラグ

生き残った子どもがリセットボタンを押し、世界が元に戻ったかのような結末を迎える。

「クロノス社」という名前はクロノス=時間を司る神を連想させる。しかし作中ではその意味を十分に説明しない。壮大な設定を匂わせるだけ匂わせて、回収しないまま終わる。

仮に本当に時間を操っているのだとしても、時間を戻すだけならまだ分かる。ところが、過去に戻ったことで人間関係まで都合よく変わっているように見える。時間を戻しただけなのか、それとも記憶や出来事そのものまで書き換えたのか。そこを説明しないまま「はい、全部元通り」で終わらせてしまうと、こちらとしては「何でもありかよ」と言いたくなる。

しかも最後にはハンターがカメラに向かって笑う。続編を匂わせるフラグまでしっかり置いていく。

でも、この映画で必要だったのは次の物語への入口ではない。まず今作の中で、何が起きて、なぜそうなったのかを納得できる形で終わらせることだった。

時間を操れるほどの力があるのなら、せめてその力をもう一度使ってほしい。

できることなら、この映画を観る前の時間まで戻してほしい。

総評:観るべきか迷っている方へ

この映画は、何かをやろうとしているのは分かる。大規模ロケ、ハンター、デスゲーム、6人の友情。材料だけなら、面白くなりそうなものは揃っている。

でも、それらを一本の映画としてまとめきれていない。逃走劇としても、デスゲームとしても、友情ドラマとしても中途半端。そのうえ、感動させようとする場面だけが前に出てしまう。

「逃走中」を映画にしたら、逃走中ではなくなった。これほど皮肉な映画化もない。


シネうま
シネうま

時間を戻せる映画なら、映画館で観た人のチケット代返してあげて。

STREAMING

本作はAmazon Prime Videoで配信中。
プライム会員は追加料金なしで視聴可能です。

Amazon Prime Videoで視聴する

※配信状況は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。

🎬 あなたはどう観た?

みんなの感想・考察

❤ いいね!ありがとうございます
タイトルとURLをコピーしました